ご挨拶
セルフ・ネグレクトは孤立死の予備軍です。セルフ・ネグレクトとは時間をかけて自分を放任することにより生命・健康・生活・安全が脅かされる状態に陥る、「緩やかな自殺」とも言えます。 複数の要因やサービスにアクセスできないことにより、助けを求める力が低下・欠如している状態になります。ご本人がその状態に気づかない場合「困っていない」と言い、支援には困難が伴いますが、自身の権利を守ることができない人を支援しないことは行政のネグレクトにもなりかねないと考えます。
地域社会で早く発見し、ご本人の意思を尊重しつつ専門職が支援することによって、より健康でQOLの高い生活につながります。私たちはこれまで文部科学省科学研究補助金により、セルフ・ネグレクトに関する研究を積み重ねてまいりました。その成果を本ホームページで皆様と共有し、さらなる研究につなげ、皆様に還元していきたいと思います。

研究代表者 岸 恵美子(きし えみこ)
東京医療保健大学東が丘看護学部 教授
看護師、保健師
日本赤十字看護大学大学院博士後期課程修了
看護学博士
一般社団法人日本高齢者虐待防止学会 理事
東京都板橋区、北区で 16 年間保健師として勤務した後、自治医科大学講師、日本赤十字看護大学准教授、帝京大学大学院医療技術学研究科看護学専攻教授を経て、2015 年より東邦大学教授。高齢者虐待、セルフ・ネグレクト、孤立死を主に研究している。
著書
『セルフ・ネグレクトのアセスメントとケア―ツールを活用したゴミ屋敷・支援拒否・8050 問題への対応』(中央法規出版)
『ルポ ゴミ屋敷に棲む人々―孤立死を呼ぶ「セルフ・ネグレクト」の実態』(幻冬舎新書)など


